呪い師が使役している使い魔の子には、寂しがり屋が多いらしい。
だから、何か退屈凌ぎができそうなことを見つけると、悪戯がてら手に入れようとするんだって。
赤い瞳と赤いローブの呪い師、スライマーンのお兄さんは、何となく唄った歌で使い魔さん達を引き寄せちゃった俺を助けて、もとの道まで導いてくれた。
もとの道に戻るために唄った子守唄、どうやら使い魔の子達は気に入ってくれたみたい。
使い魔の子は使役主、主人には絶対忠実なんだと思ってたし、きっと実際そうなんだろうけど、そんでも拗ねたり寂しがったり、それを満たそうとして誰かを捕らえようとしたりするんだ。
人とあんまり変わらないのかな。今度また、彼らが寂しくて仕方なくなることがあったら、今夜みたいにまた歌で慰められれば良いと思う。
そういえば、城塞には街よりか、呪いや占いをする店が多いような気がする。
スライマーンのお兄さんの店、あの近くだって言ってたな。
今度礼がてら、ちょっと覗いてみようか。
■城塞の都・都のバザールにて■
(スライマーン)
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