港街の裏通りの一画に、今は使われていない様子の酒場があった。
俺とロディオはそこで雨宿りをしてて、
ずいぶんと久し振りに会った錬金術師のシェリル・リンが、
依頼を受けて頼まれた品物を届けに来てたんだ。
その酒場の様子が変だったって言うシェリルの言葉で、
ロディオと俺も手伝って三人で、その部屋の中や、
こっそり隠されてた階段の下にある地下室へも行ってみた。
地下には古くなった酒樽がいっぱい。
それから、なぜか俺達が最初にいた、路地裏に通じる扉。
偶然そこへ出たから、ちょうど探索にも疲れたし、
そっから帰ることにした。
それだけだ。断じて、それだけ…!
……世の中にはね、見ない方が良いことも結構多い。
■潮風の港街にて■
(ロディオ、シェリル・リン、"それ")
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