砂漠を渡って、街に着いたのは夜明け前だった。
寝床に向かう途中、広場のベンチでひと休みして、
夜が明ける前の時間がこんなに静かだったことを、
何だか久し振りに思い出した気がする。
城塞のバザールは大体、いつでもどっかが賑わってるから。
空が明るくなるまで広場は静かだったけど、
思わぬ旧友、デニスに久し振りに会うことができた。
外の国を旅して冒険して、最近また戻ってきたらしい。
元気にやってたようだから、この街でもまた
良い冒険に巡り合えると良いと思う。
朝市に寄ってきたっていう彼から、焼き立てのパンをわけてもらった。
■繁華街の噴水広場にて■
(デニス)
デニスと別れた後、家…広場の裏通りにある、
この前まで住み人があった家に帰る。
ちょっと埃を被ってる以外は、何も変わってない。
今日は明るくなってからだったからまだ良いけど、
…ここで夜に独りで寝るの、きっと寂しいだろうな。
窓は開いてた。
ひと眠りして眼が覚めてから、ひとまず掃除をした。

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