空に飛んでった赤い風船は、どのくらい遠くまで進めただろう。
樹の枝にひっかかってた赤い風船を取ろうとしたら、あとちょっとのとこで逃げられてしまった。
そのかわりに、仕事に行く途中のジェラルドってお姉さんと、彼女の持ってた青い風船がつかまって、色んな話も聴けたから、ま、今日のとこはよしとしようか。
ジェラルドによると、風船は新しい玩具屋さんの開店記念に配られてたものらしい。
彼女は風船を持ってる自身を子どもみたい、とも言ったし、風船を見て喜んだり、その飛んでいく先に思いを馳せていたりした(…これはまあ、思い返してみれば子どもっぽい、かな…!)俺のことを繊細だ、とも言ったけど、同じように赤い風船の行く先を案じ、青い風船の思いを代弁して、俺の手にそれを譲ってくれたジェラルドだって、おんなじぐらいか…それ以上に、きっと繊細だと思うな。
有能な仕事人だから、今日のジェラルドは動きやすそうな普段着だった。
その彼女に、いつかドレスを見立てる約束をする。
彼女自身や、色についての観察眼は、どうやら認めてもらえたみたい。
色々な声を出せるっていう彼女に、別の顔を見せてもらえる時が来るのが楽しみっ。
<入手品>
【青い風船】
■繁華街の噴水広場にて■
(ジェラルド)

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