しがらみが増えるたびに、離れがたくなっていく。
それでもいつか、旅立つ日は来るだろう。
風に吹かれたシャボン玉が、自由な空に舞い上がるように。
レディ・ギンモクセイは、ずっと都にいたらしい。
ダイアモンドは眼を怪我してしまってて、
視力が回復する見込みはないとの話だった。
(ピンクフラミンゴで住込みの下働きをしてるらしい)
以前に、左眼を駄目にしたばっかりのときのことを思い出す。
距離感がまったく掴めずに、良く、転んだり階段を踏み外したりしたっけ。
もう一方も失って、世界から光がなくなるというのは、
それとは比にならない苦労や心細さがあるんじゃないだろうか。
■城塞の都・都のバザールにて■
(ダイアモンド、ギンモクセイ)
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