世界樹の新芽は、怪我や病気に効くんだってさ。
寝つけないから外を歩いてたら、ついに世界樹のとこまで来ちゃった。
そしたら葉っぱの数を数えようかと決意した瞬間に、枝にいた人影が下まで落ちてきた。
その後の記憶はちょっとだけ朦朧としてるんだけど、状況(看板についた血と俺の頭から出てた血)から察するに、どうやら一緒に落ちて来た看板に頭をぶつけて、ちょっとだけ気を失ってたらしい。
看板と一緒に落ちて来たセタンサのお兄さんは、喉飴の材料になる世界樹の新芽を取りに木登りをしてたところを落ちたらしい。にも関わらず、俺の怪我を見て新芽を譲ってくれるんだから、人が良いっていうか何ていうか…!
早速試してみたけど、世界樹の新芽の効き目は相当なもんだった。
すうって痛みが引いたんだ、安心して砂漠に出られそうっ。
城塞に行ったら、セタンサのお兄さんの喉が治る方法をちょっと探してみよう。彼の言ってた、同業者で、声を誰かに盗られた人ってのがいるかどうか、も。前例があればわかりやすいかも知れないしね。
■世界樹の下で■
(セタンサ)
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