きらびやかなパレードからは、その通りはちょっとだけ外れていた。
居住区や宿屋が並ぶ路地。
大通りでは今日は夕方からパレードをしてたけど、一緒に楽しむ気分にはなれないまま、届けものをしてくれた伝書鳥さんに、何となくパン屑を食べてもらってた。
そこに2階から降ってきた声は、喉に怪我をしてるジークムントさん。
大通りの方から通りかかった影は、パレードを楽しんでたロッカード。
ジークムントさんは重傷だってのに(3日で治る、なんて本人は言ってたけど)、2階から飛び下りてくるわ、ロッカードの仕草に笑って喉の傷をぶり返さすわで大変だった。
ロッカードが無理矢理ベッドに押し戻してたけど。一応傷の手当てはしておいたから、その後の経過も順調なことを祈るばっかりだ。
届けものについて話をしたら、ジークムントさんがずいぶん心配してくれたみたいだった。
大丈夫だとは言っといたけど、次に会っても心配されそうな気がする。
…自分の怪我は棚に上げちゃって、ちょっと心配性が過ぎるよねえ。
■城塞の都・都のバザールにて■
(ジークムント、ロッカード)
それから、パレードで盛り上がってたロッカードの気分をちょっとだけ盛り下げちゃったのは申し訳なかった。
言わなければ良かったかなって言ったけど、でも、きっと俺も届けものについて、誰かに聴いて欲しかったんだと思う。
こういう時、誰かの前でどんな顔をして良いかをあまり良く心得てない自分が少しだけもどかしい。
帰り道、必要だったら呼べって言葉を思い出して、帰ったらロッカードに聴いてもらおうかって迷ったけど、上手く言えなさそうな気がしたから、やめることにした。

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