俺は、赤い竜があんまり好きじゃない。
竜そのものが嫌いってわけじゃない、もちろん、竜の強さや恐ろしさとは別問題でだけどさ。
赤い竜や氷の竜、白い竜、出会ってみたいっては思う気持ちは強くあるけど、そんでも赤い竜だけは好きになれないのは、以前に望みと引き換えに対価を支払ったことで、大変な事態になった友達の様子を見てるからだ。
そして、ペリトもおんなじように、欲しいもののために対価を支払ったそうだ。
得たものは聴かなかったけど、払ったのは太陽が出てる時間の声と、その時間帯の行動の自由。太陽を浴びると、身体が溶けてしまうらしい。
それに得たものは、自分用じゃなくて、誰かへの贈り物だったんだって。
でも当の本人は、まるで平気そうな顔をしてた。
それどころか、デスヴァレーでの竜の様相を、術で俺にも少し垣間見せてくれたんだ。
輪郭は朧げだったけど、竜はとても大きくて、炎よりも紅かった。
ペリトはお人好しなんだろう。
陽が沈んで声が出せるようになった彼女と、夕飯をともにした。
※夕方、広場で弾いた曲の名前→「微睡みの駒鳥 ペリトに捧ぐ」
※デスヴァレーについての曲を作ってみること
■繁華街の噴水広場にて■
(ペリト)
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