静かだと止まってるように感じても、時間というのは、気付いたら流れているものだ。
何時頃に酒場に来て、何時頃に歌を始めたのかは覚えてた。
何時頃に歌を終えたのかは何となく。
その後何時頃から、そうしてぼおっとしていたのかは覚えていない。
紅茶はちょっと冷めていた。
時がゆっくり流れたって以外、詩も曲も考えてたわけじゃなかったし、書いたものも何も残っていない。
ただ困ったことに、そんな何もない時間ってのが、とても幸せだったりするんだよね。
ただ困ったことに、毎日そうぼおっとしてばっかりはいられないってのは、これはジレンマかも知れないけどさ。
■冒険者達の酒場にて■

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