ここ最近の彼はいつでも気だるそうで、ぼおっとしてて、腹を空かせてるイメージだったけど、それだって結構前のことだと思う。
城塞のある店で、シュマック君の姿を久し振りに見かけた。
お茶の美味しいのには定評がある店だったんだけど、どうやらそれを購入して、ちゃんと砂時計で三分、蒸らす時間を計りながら飲んでたようだった。(彼の場合、美味しい美味しくないとかじゃなく、ただ言われたことを素直に実行しただけ、って可能性もあるけど)
ちゃんと待ってる姿と、しみじみお茶を飲む姿がちょっと面白くて、しばらく眺めてから声をかけたら、暇だったってことだから、一緒に通りの人間観察をしたり、腹が減ってるって言うから、店のサンドイッチとクッキーを出してあげたりする。
俺もこっちに居着き始めて半年は経つけど、シュマック君も長いことこっちにいるみたい。
だからかなあ、そうして待ってる姿が、なかなか見かけない黒衣の割にバザールに馴染んでるように見えたのは。
腹を減らしてるのは別としても、どうやら元気そうで安心した。
やがて腹も膨れてあったまったようだったから、途中まで一緒に歩いて、積もる話を色々した。
………まあ、主に、俺が。
■城塞の都・都のバザールにて■
(シュマック)

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