したいこと、しなければならないこと、ここに来た理由、ここに留まる理由。
指針になる大きな出来事が中心にひとつあったとして、
その周りに存在する理由や行動は人それぞれだろう。
例えば、旅をして来て都にも着いたばっかりだった剣士のライト。
例えば、普段は部屋に篭ってることが多いけど、珍しく遠くまで出かけて来た召喚士のユピテルさん。
勿論俺とも初めて出会ったライトは滞在費のために仕事を探すこと、ずいぶん久し振りに会えたユピテルさんは、応援と見届けをすること。
共通するのはどちらとも、S-1に魅かれてこっちへ来たってところだろう。
本当に、今回の大会の集客力といったらないな、と、
都の中を見ていても、こうして誰かと出会ってもしみじみ感じるねえ。
決勝に進んだ8人の中で、ユピテルさんが知り合いだと挙げた2人の名前は、
この間予選を観戦した1人も含め、偶然にも俺の知人と重なった。
ライトからの祝福も励みに、2人には頑張って欲しいところ。
ライトには偶然仕事を紹介できたし、
ユピテルさんにも、魔術についてとか、色んな話が聴けた。
俺の楽しみは剣の大会そのもののほかに、それに乗じて来た人達との話や、歌を聴いてくれる人の倍増にもあるってわけだ、うん。
■城塞の都・都のバザールにて■
(ライト、ユピテル)
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