肌の白い人は、やっぱり太陽の光には弱いみたいだ。
昼間よりかはちょっとは涼しいけどまだまだ暑い、いよいよ夏になってきたかなって夜、裏通りの建物の屋根(高いとこが好きなんだ)で休んでたら、人通りの少ないその路地に、人影が2つ見えた。
一つは見覚えのある姿と看板、セタンサのお兄さん。
もう一つは、白い髪に白い肌のお姉さん。
そのお姉さん…術師のアシュードは、知り合いの呪術師さんの店に行く途中だったらしい。セタンサさんとは知り合いで、こう、お気に入りだからからかっちゃう仲のようで、セタンサさんがとても、アシュードを警戒していたのがわかった。
……ちょっと面白かったってのは内緒ね。
それはともかく、セタンサのお兄さんは、袖で隠れてない腕の部分に、
酷い火傷みたいなものを負ってた。
夕方、2時間ぶっ通しで外を歩いたからなんだって。
とりあえず冷やしといたけど、これからは気を付けてくれると良いなあ。
それから、アシュードが白色を通り越して透けてしまったら、
その時は俺が、責任をもって青い色を付ける約束をして、
道に迷ってたらしい彼女を、セタンサさんと一緒に途中まで送る。
そうそう、アシュードに商人さんの話を聴けた。
どうやら彼女の知り合いみたいで、その人が昔「ビンゴ・スクラップス」って偽名を名乗ってたこと、今は「シスコ・フランツ」と名乗ってること、彼が以前城塞で行われた、エキシビション大会の主催者であることを教えてもらった。
そうか、なるほど、あの大会の主催者さん。
怖い人みたいだから、ちょっと緊張する。
というか、偽名を使ってたような人のとこに俺を行かせようとしたわけだよね…!
知らなかったのかも知れないけど、もう、これは忠告と説教だな、説教っ。
■潮風の港街にて■
(アシュード、セタンサ)