冒険者は冒険者の活躍を食べて生まれ、育ち、やがて輝く。
ひしめく冒険譚、それに憧れて冒険者になった、今いる冒険者さんのうち、いったい何割がそれを理由に冒険をしていることか。
城塞生まれで、冒険者になるために街へ出たというルドゥもその一人だった。
三年ぶりの帰郷で、砂風を吸っちゃったり飲み物屋さんがわからなかったり、苦戦してた様子のルドゥだったけど、好奇心や情熱はやっぱり冒険者さんのそれ。
口は悪いと言われても、俺に適切なアドバイスをくれたり、それに礼を言ったら素直に照れてしまっていたあたり、冒険地に出たらきっと、仲間として頼りになるんだろうなあ。
話をしながら、飲み物の出る近くの酒場まで案内して、永久凍土の氷竜の物語を唄った。
行ったことのない場所だったようで、これにも興味を持ってもらえたみたいだ。
いずれ、冒険の思い出を共有できる日があれば楽しみにしておこう。
それにしても、冒険者だし貧乏だー、なんて言ってたけど、
ルドゥが着てた服、結構上等なやつじゃなかったかなあ。
生地も厚くて丈夫そうだったし、もしかして、家はわりと裕福なんだろうか。
■城塞の都・都のバザールにて■
(ルドゥ)
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