長い間唄っていなかったそのヴァイオリンが旋律を奏でる時。
首輪について相談しようと思って、久し振りに魔術師の学院に足を運んだ。
相変わらず広い学院の廊下で迷ってたら、
商品について調べに来た商人のヘヴン、ってお姉さんに出会う。
いわくつきのヴァイオリンについて調べに来たんだそうだ。
そのヴァイオリンは、唄わない。
今まで誰も、この子を唄わせることができなかったらしい。
この子ってのは、俺が特別にそのヴァイオリンを今、借りてるからだ。
ヴァイオリンの心得は少しだけある。
ヘヴンの前で俺も弾こうとしてみたけど…、
弦と弓は擦れてるのに、音階が出なかった。
ヘヴンの予想では、この子はほかのものの音と共鳴する。
この子は既に、俺達には聴こえない声で唄っていて、
その音は、ほかのものと共鳴することで俺達にも届く。
どうしてこの子は今まで唄わなかったのか。
もしもこの子が『唄った』ら、聴いた方は…?
ヘヴンはもしかしたら、と俺の銀の首輪を示した。
※借りられる期間は今日からひと月
※唄わせられなかったら、貸し賃ひと月ぶん
※ヴァイオリンを返す場所は、広場の骨董通りにある店「妖精の尻尾」
<入手品>
【唄わないヴァイオリン】
■マルチルーム・魔術師の学院にて■
(ヘヴン)
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