散り散りの月齢

良く通る路地の途中に、月の満ち欠けがばらばらに、
表みたいに描かれた張り紙がある。

何となく気になるそれを、俺は通るときにときどき
眼の検査がわりに使ってるんだけど、
錬金術師のモントファーゼとしては、
魔術的な観点から見ても、ちょっと気になる存在らしい。

魔除けか何らかの術の一環か、俺も気になってきた。
もし謎が解けたら、街にある彼女の研究所に報告に行こうかな。

■城塞の都・都のバザールにて■
（モントファーゼ）

詩集を出してもらいました

ボーンさんのデイリーナイトタブロイド社から、
詩集を出してもらったよ。

それにしても、確かに中身は俺がメモに記録してた詩なんだけど、
編纂した覚えがないんだよね…、
ボーンさんってば、なぜか俺についての情報に精通してるもんで、
どこからかメモを写して、さらに、
器用にまとめまでしてくれちゃったんだろうか…。

と、ともあれ、街で見かけたらよろしくね。
シャルワールをモデルにした絵本も同時に刊行されたみたい！

空と海の球

閉ざされたはずの世界に新しい色が射していた。
瞳に、そして胸に、鮮やかな色を塗ったらしい彼女は、
きっと、もう大丈夫なんだろう。

大丈夫じゃないと思っていたわけじゃない、
それでも大丈夫なんだろうと心に過ったのは、
どこか彼女を俺自身と重ねていたからかも知れなかった。

まあ、正確には判らない。
判らないものをどうこう結論づけるのも何だから、
なぜか感じる少しの寂しさはしまい込んで、素直に祝福しよう。

■城塞の都・都のバザールにて■
（ダイアモンド）

キャラバンの夜更け

砂民の集落まで商売にいく隊商さん。
短い道中だけど、宴要員として？同行したところ、
水辺でアラシュという魔術師さんと出会う。

子守唄を聴くと悲しい思い出が蘇るらしい彼女の、
故郷での話は、もっと仲良くなったら教えてもらえるんだそうだ。
悲しいのって、秘めるだけだと溜まるだけな気がするから、
いずれ少しは解放できると良いと思う。

■城塞の都・都のバザールにて■
（アラシュ）