ずうっと昔に栄えたという古代王国、その栄華の跡地。
昔から冒険者さん達の探索の、格好の対象として日頃冒険されてるにも関わらず、今でも新たな場所や財宝の発見って噂が絶えない一帯だ。
その姿から華々しさは想像できないものの、やっぱり栄華は極まっていたのかも知れない、って想像を掻き立ててくれる、そう、今でも未知の単語が多いらしい古代語を見てるみたいに。
ルドゥから聴いた魔法剣の話も気になっていたところだったので、久し振りに遺跡に足を運んだ。
かつては居住区だったとみえる中に、今しがた崩壊したかのような壁と、途中までの階段が見付かったのも、きっと遺跡を歩いていれば、そう当たる機会の少ない出来事でもないだろう。
途切れたに見えた階段の上に人がいたり、そこに古代の遺産がひとつ残っていた、ってのは別として。
上ってる途中で階段が崩れて、そのまま上の階に飛び移ったっていうバニッシュのお兄さんが見てた壁には、何かをかたどった絵だと思われる記号を中央に、それをぐるりと古代文字で囲った、まるで魔法陣みたいなものが一面に描かれていた。文字はさっぱりだーっていう彼のかわりに、読みかじり程度だけど、その解読に挑戦することに。
睡眠がとても好きなバニッシュのお兄さんの、枕なんかへのなみなみならぬこだわりを聴きながら、何となしにうすぼんやり導きだした結論は…、
書き付けてあったのは、料理のレシピ。
どんな料理があったのかはわかんないけど、どうやらじっくり煮込むものみたいだった。想像で俺はポトフって言ったけど、この時期皆でつっつくような鍋も美味しいよねえ。
一段落して腹も減ったところで、今夜のとこは街に戻ることにする。
階段が崩れてしまってたから、上から飛び下りたら瓦礫がバランスを崩して大変なことになった。
巻き込んだみたくなったバニッシュのお兄さんには、またゆっくり謝っておかないとね…!
■古代王国の遺跡にて■
(バニッシュ)
